ですが、掃除機の使用には注意をする点がいろいろあります。
例えば、
・薄くシワになりやすい紙や布
・千切れてしまいそうな紙・羊皮紙
・はがれそうな絵具層
上記のような、保存修復が必要な作品によくある状態のものを、強い吸引力でいきなり吸い込んでしまっては、修復前の作品をさらに傷つけてしまう可能性があります。

一般のご家庭や工業用の掃除機の吸引力の調整は、弱・中・大・最大のような段階式や自動的に汚れ量を感知し、吸引力を設定する方法になっています。
ですが、ミュージアムクリーナーでは、無段階で吸引力調整が可能で、必要とする吸引力を調整しながら使用する事が出来ます。

修復や展示品の清掃作業をする際に対象物に合わせ、 最小吸引力「0」から、最大吸引まで調整が可能です。
調整方法は、本体にあるダイアルを回します。

またモーターは「ハイブリット方式」で、小型ミュージアムクリーナーの場合は最大吸引力を3段階（400W,500W,1100W）で設定が可能です。
薄く脆い作品には、400Ｗの最小設定で極々弱い吸引力でやさしく作業が可能です。
※ハイブリット方式の詳細はこちらをご覧下さい。

ミュージアムクリーナーは「やさしい吸引」をする掃除機です。

掃除の際、先端ノズルを使用する事で、細い隙間まで掃除が出来てとても便利です。またブラシノズルなどもあり、汚れを掃き取る事も出来ます。 最近は100円ショップのお掃除コーナーでもさまざまな形の掃除機ノズルを安く購入する事が出来るようになりました。 ですが、それらのノズルやブラシは「硬く、強い素材製」のものを清掃するためのものです。 例えばコンピューターのキーボードやテレビなどの電化製品、車のシートなど。
ミュージアムクリーナーの先端ノズルは、作品清掃の為に特別に研究・開発されたノズルです。

ノズルは作品に直接触れる部分です。
折角、やさしい吸引力で作品を傷つけないように掃除をしても、直接作品に触れるノズル部分が「やさしく」無くては意味がありません。
ソフトゴムを使用した長尺ノズルや先端ノズルで作品にやさしく触れ、汚れを吸い取ります。 ノズルブラシにも3種類の強度があり、動物毛でハード、ミディアム、ソフトがあります。 また、 現在もオランダの製造元ではノズルの研究、開発中で、各修復分野に対応した特別なノズルが作られる予定です。
※オプション・アクセサリーの種類は　こちら　をご参照ください